「えー?!さくら、本当に良かったよぉ~!!」

出勤前、珍しく美優とはるなとご飯に行く事になった。
今日は3人共同伴が入っていなくて、さっそく昨日の出来事を報告した。
美優は自分の事のように喜んでくれた。

「でも、それっておかしくない?」

すかさず突っ込むはるなの手にはビールのジョッキ。
仕事前から飲むなんて、さすがは酒豪だ。

「好きだから付き合えない、なんておかしい。好きだから付き合うべきなのに…。
それに待っていてなんて無責任すぎるとわたしは思うわ」

はるなの言うことも最もだ。
でもわたしは複雑な気持ちになりながらも、浮かれていた。
ずっと好きだった光から、好きだと告げられた。
その事実だけで今は十分だった。

「ほんと、社長の考えてる事ってわかんない。
色管理なんじゃないの?」

はるなの言葉に胸がドキッとした。
元々色管理の噂があった。そしてわたしは今、シーズンズのナンバー1だ。
光にとって仕事上でも必要な人間であるのは違いない。
けれどあんな顔をする光がわたしに嘘をついてるなんて、信じられなかった。