「まぁ光の方が大変だと思うよ!
でも新しく部長?が出来て、仕事の負担も少しは減るんじゃない?」
「うーん…
俺って結構全部自分の目で見て確かめないと気が済まない性格つか性分だから、楽ではないかも…」
「あぁ、そうなんだ…」
「でも新店舗も出来るし、これからもっと大変になるだろうし、仕方がない事なのかもしれないけどね」
「ねぇ新店舗ってどういうお店なの?」
「なんかONEより高級店にしたいらしいよ?」
「ONEより?!」
「宮沢さん自身が力のある子スカウトしたりとか、かなりやる気あるみたい。
でもこうやって何店舗もお店を抱えて、それでも成功してるあの人は本当にすごい人だと思うけどね。
実際結果残してるわけだし」
朝日は、遊んでいるようだけど、誰もが認めるほど経営の才能がある人間だった。
あれだけ若くして成功してるのはその証拠だし、実際1からお店を大きくしてきたのも朝日の実力ではある。
けれど人間としてはどうかなって部分も沢山ある。
あの日夜の街で偶然会って飲みに行って、ゆりと暮らす家まで送って行ってからは、特に朝日から連絡はなく安心していた。
「てゆーかお前、顔色悪くない?」
「え?」
そう指摘された数分後、トイレとお友達になってしまった。
「気持ちわるいー……」
プライベートで飲みに行ったのもあったし、仕事みたいに緊張感もなかった。
朝からほぼ寝ずに引っ越しの準備をして、更に酒豪の美優たちのペースに合わせて飲んでしまったせいもあるのだろう。
それにしても酎ハイを数杯程度、仕事の時はこれの何倍も飲むというのに。
仕事の緊張感とは全く恐ろしいものがある。



