「ねぇねぇ、原田さんて?」
「あ~さくら知らないのかぁ~まぁONEの店長なんだけどね~!これがまた少年みたいな可愛らしい顔してる人なんだけどねぇ~原田さんって凜さんと付き合ってるんだよね~」
「さぁ、知らね」
「知ってるくせに~!でもびっくりぃ~!あの原田さんが部長になるなんて!
可愛い顔して超野心の塊って感じの人だもんねぇ~」
どこまで行っても風紀の多い事。
男と女しかいない職場でいえば、昼の職場とそう変わらない。
職場恋愛が多い統計も変わらない。
だとすればそこに恋が生まれるのは当然と言えば当然なのだが、会社的には風紀という事になり、罰金も発生する。
それが黙認されてる1番の理由は朝日なのだろう。
会社のトップが風紀をしているお店ならば、下が何をしようとさすがに文句は言えないのだろう。
わたしは光の側に近寄って、こっそりと聞いてみた。
「光はシーズンズのまんまなんだよね?」
「うん。シーズンズは変わらず」
「良かったぁ…。
担当じゃなくなったら仕事の時滅多に会えなくなっちゃうもんね?」
じぃっとわたしを見つめて、頭を数回優しく叩く。
「何?!」
「いやぁ、可愛いなぁって思って」
「何それ?!」
「はいはーい、お前たち口より手を動かすー!
こんなんじゃあいつまでたっても引っ越し終わんねぇぞ!」
「あんたに言われたくないわよ!」
はるなの憎まれ口がまた飛んで、わたしたちはまた笑った。



