「それにしても美優ちゃんはこんな朝からでもきちんとしてるね」
「まぁね~!あたし本職は昼だから、朝とか全然苦手じゃないもぉ~ん!
でもやっぱり夜一本でやってる人たちは朝苦手だよね~!
社長の言う通り皆別人だも~ん!」
「昼も夜もやっててそこまで元気な美優ちゃんを尊敬するわ…」
「でもどっちもやるとやっぱりきつい時あるよ~!でも夢のため夢のため!」
出会った時から夢があると言っていた美優の事だ。
昼も夜も元気で、辛そうにしてる姿は滅多に見ない。
そこにいるだけで全てを明るくしてしまう美優のような存在が、もしも夜1本で仕事をしたのなら相当人気なキャバ嬢になるだろう。
けれど、彼女は夢があると言った。
わたしたちの年齢でそんな確固たる夢がある美優をかっこいいとさえ感じた。
「それにいまシーズンズで働いてちょー楽しいし
THREEにいる時は超辛かったしー」
「THREEでもそんな大変なの?」
「シーズンズは本当に女の子同士仲がいいよ!
THREEでさえ、プロ意識の高い子ばっかりだから、女同士の足の引っ張り合い沢山あるよぉ~?!
今やシーズンズもさくらや綾乃がいるから系列の中でも注目されてるけどさー
やっぱナンバー1が優しいと雰囲気が良くなるもんだよねーお店はーさくらのお陰っ!」
「いやいや、あたしは別に何もしてないし」
「本当だよぉ~!
やっぱお店のナンバー1って大切なんだよぉ。その人1人で雰囲気とか一気に変わっちゃうわけだしさぁ~
あたしはさくらと働けて幸せ~!さくら大好き~!」
「美優ちゃん……」
好きなものを素直に好きと言う、無邪気で優しい美優と一緒に働けて幸せな方はわたしなんだよ、と照れくさくて言えなかった。



