「桜井社長ご熱心ね」
更衣室で綾乃に会うと、そう言った。
売上表を見つめる姿は、わたしを意識していないはずがなかった。
「信じられない。あんな人が…」
「すごく良いお客さんでしょう。飲み方も綺麗で、お金も惜しみなく使って、それにあの人、少し有明に雰囲気が似ているわね」
「…!」
綾乃の前でわたしが動揺も隠せるはずがなく。
お客さんであることは変わりない。それでも連日お金を使い続ける桜井をただのお客さんとして見るのではなく、想っても、いくら想えど届かぬ人の影を見ていたような気もする。
こんな風にすぐに感情で動いてしまうのがわたしのダメなところでもある。
「ああいう一途なお客さんは、少し気を付けた方がいいかもね」
それだけ言い残して、綾乃は更衣室を出ようとしていった。
「あの、綾乃ちゃん!」
「何?」
「あたし…光と同じマンションに引っ越すかもしれないの…」
綾乃が一瞬凄く悲しそうな顔をしたから、やっぱり綾乃は光が好きなのだと思った。
「そう…。あたしには関係のない事だから、ご自由に…」
全然関係のなさそうな顔なんかしていなかった。
それをわかっていながら、こんな事を言ってしまうなんてわたしは意地悪でなんて性格の悪い女なんだろう。
更衣室で綾乃に会うと、そう言った。
売上表を見つめる姿は、わたしを意識していないはずがなかった。
「信じられない。あんな人が…」
「すごく良いお客さんでしょう。飲み方も綺麗で、お金も惜しみなく使って、それにあの人、少し有明に雰囲気が似ているわね」
「…!」
綾乃の前でわたしが動揺も隠せるはずがなく。
お客さんであることは変わりない。それでも連日お金を使い続ける桜井をただのお客さんとして見るのではなく、想っても、いくら想えど届かぬ人の影を見ていたような気もする。
こんな風にすぐに感情で動いてしまうのがわたしのダメなところでもある。
「ああいう一途なお客さんは、少し気を付けた方がいいかもね」
それだけ言い残して、綾乃は更衣室を出ようとしていった。
「あの、綾乃ちゃん!」
「何?」
「あたし…光と同じマンションに引っ越すかもしれないの…」
綾乃が一瞬凄く悲しそうな顔をしたから、やっぱり綾乃は光が好きなのだと思った。
「そう…。あたしには関係のない事だから、ご自由に…」
全然関係のなさそうな顔なんかしていなかった。
それをわかっていながら、こんな事を言ってしまうなんてわたしは意地悪でなんて性格の悪い女なんだろう。



