【完】さつきあめ

「あたしはさ、さくらには幸せな恋愛をしてほしいよ?
社長と一緒に居たらぜぇったい幸せな恋愛なんてできなそうだけど…
でも好きなら好きなままでいたらいいじゃん。自分の気持ち、無理やり押し隠したり、気持ち殺したりなんてしなくっていいんだよ。
そうやって過ごしていって、好きなままなら好きでいい。もしも他に好きな人が出来たならそれでいいじゃん!時の流れに気持ちまかせたっていいじゃぁ~ん。
無理に忘れようとするって行為自体もう相手の事考えちゃってんだからねぇ~」

美優の言うことは最もだ。
そして実にさっぱりした考えだ。



「好きならずっと素直に好きでいればいいじゃん。

あっ!!」

「え?」

美優の指の指す方を見て、思わず顔をテーブルに伏せる。
けれど、時すでに遅し。せっかく光とご飯を食べにきているのに、さっそく後悔。
なんて狭い街なんだろう。
来るな来るな来るな。祈りが空しく心に空回りする。

「よぉ、さくらと…えっと」

「美優でぇす。会長おつかれさまでぇす。
って、さくら何してんの」

こんな所で朝日に会ってしまうなんて。
美優は、わたしと朝日の間に会った事なんて何ひとつ知らないから、きょとんとした顔をして、顔を伏せるわたしの背中を叩いた。