バーと言っても物静かなカクテルバーと言った感じではなく、マスターと若い男の子がふたりでやっているカジュアルな感じの飲み屋さんだった。
カウンターではなく、ボックス席に座った深海にお店のスタッフが着くこともなかったし、ドリンクの注文以外は空気を呼んでか、わたしたちの席にはお愛想程度にしか来なかった。
飲み放題のメニューから深海がウィスキーロックと、わたしもウーロンハイを適当に頼む。
「あの、どうだ、最近」
「なんですか、それ。見ての通り不調ですけど」
深海のストレートな聞き方が少しおかしくて、笑いながら答える。
不調とは言ってもレイが入ってきてから、いつもより売り上げも伸びていたように思えるし、調子が悪いというほどでもなかった。売り上げは上がってるのに、前より指名が少なくなっているのが気になっているところか、今日も金沢の指名をレイに変えられたわけだし。
「レイはすごいなぁ」
核心に触れるような言葉に、また胸が痛む。
深海の言葉さえ、わたしを苦しめるのか、と思った。
「お前とレイとでは全然違う」
全然違う、と言われ、また絶望。
わたしとレイとでは比べ物にならないほどに差があると深海は言いたいのだろうか。
悔しさと恥ずかしさで、何も言えなくなってしまうわたしに、深海は手に持っていたウィスキーの入っていたグラスをゆっくりと揺らしていく。
慌てて口に含んだウーロンハイは、ウーロン茶とはまた違う苦みが口いっぱいに広がっていっていく。
カウンターではなく、ボックス席に座った深海にお店のスタッフが着くこともなかったし、ドリンクの注文以外は空気を呼んでか、わたしたちの席にはお愛想程度にしか来なかった。
飲み放題のメニューから深海がウィスキーロックと、わたしもウーロンハイを適当に頼む。
「あの、どうだ、最近」
「なんですか、それ。見ての通り不調ですけど」
深海のストレートな聞き方が少しおかしくて、笑いながら答える。
不調とは言ってもレイが入ってきてから、いつもより売り上げも伸びていたように思えるし、調子が悪いというほどでもなかった。売り上げは上がってるのに、前より指名が少なくなっているのが気になっているところか、今日も金沢の指名をレイに変えられたわけだし。
「レイはすごいなぁ」
核心に触れるような言葉に、また胸が痛む。
深海の言葉さえ、わたしを苦しめるのか、と思った。
「お前とレイとでは全然違う」
全然違う、と言われ、また絶望。
わたしとレイとでは比べ物にならないほどに差があると深海は言いたいのだろうか。
悔しさと恥ずかしさで、何も言えなくなってしまうわたしに、深海は手に持っていたウィスキーの入っていたグラスをゆっくりと揺らしていく。
慌てて口に含んだウーロンハイは、ウーロン茶とはまた違う苦みが口いっぱいに広がっていっていく。



