抑揚のない声。途端に無表情になる顔。今までの軽薄な顔とは大違いで背筋に冷たいものが走っていく。人をこんなにも怖いと感じたのは初めてだった。
この人の力強い、けれどこんなにも冷たい目を前に固まって動けない。
息をするのも忘れて、言葉さえも忘れていた。
「お前が俺の女になるなら、レイに勝たせてやるよ」
「…なんで…あたし…なの…?」
「俺はお前みたいな綺麗で気の強そうな女が好きだから」
「あなたには…あの人がいるじゃない…」
「俺は俺の気に入ったもの、全部手に入れなきゃ気が済まねぇんだよ。
お前が望むなら、何でも買ってやるし、ずっと嬢王様気分でお店にもいさせてやるよ」
体の震えはもう止まっていた。
この男のどこまでも冷酷なすべてに睨みをきかせる。
その瞬間、わたしはシャンパンが乱暴に入れられたアイスペールを両手に持ち、一気に口に運んだ。
「!」
突き刺すような炭酸が喉を通り抜けていく。
飲み干した後、空にあったアイスペールを床にぶちまけた。
「お前……」
「あたしは…あたしはあんたなんかに絶対支配されたりしない!
あなたの数多くの女の1人になんかなったりしないし、ずるしてレイに勝っても何の意味もない!あたしは自分の夢は自分の手でつかむ!」
トントン、とVIPルームがノックされる
それに気がついた朝日がわたしを強く抱き寄せる。
身体中に朝日の甘ったるいムスクの香りがまとわりつく。
この人の力強い、けれどこんなにも冷たい目を前に固まって動けない。
息をするのも忘れて、言葉さえも忘れていた。
「お前が俺の女になるなら、レイに勝たせてやるよ」
「…なんで…あたし…なの…?」
「俺はお前みたいな綺麗で気の強そうな女が好きだから」
「あなたには…あの人がいるじゃない…」
「俺は俺の気に入ったもの、全部手に入れなきゃ気が済まねぇんだよ。
お前が望むなら、何でも買ってやるし、ずっと嬢王様気分でお店にもいさせてやるよ」
体の震えはもう止まっていた。
この男のどこまでも冷酷なすべてに睨みをきかせる。
その瞬間、わたしはシャンパンが乱暴に入れられたアイスペールを両手に持ち、一気に口に運んだ。
「!」
突き刺すような炭酸が喉を通り抜けていく。
飲み干した後、空にあったアイスペールを床にぶちまけた。
「お前……」
「あたしは…あたしはあんたなんかに絶対支配されたりしない!
あなたの数多くの女の1人になんかなったりしないし、ずるしてレイに勝っても何の意味もない!あたしは自分の夢は自分の手でつかむ!」
トントン、とVIPルームがノックされる
それに気がついた朝日がわたしを強く抱き寄せる。
身体中に朝日の甘ったるいムスクの香りがまとわりつく。



