その頃のわたしは自分とレイを比べることしかできなくて、レイのやり方でやっていけばレイに勝てるかもしれないなんて勘違いをしていたんだ。
「今月は絶対に負けません…」
「さくらちゃんなんか、最初からレイの相手にならないって、知ってたよ?」
勝ち誇ったように更衣室を出ていくレイに何も言えず、拳を握りしめながら立ち尽くすことしか出来なかった。
この時、確実にお客さんに無理をさせていた。それで離れていったお客さんも何人かいたけど、傷ついてないふりをして自分の心を無視していた。
‘売り上げは伸びているんだから’自分に言い聞かせた。
毎日シャンパンや高級なボトルをねだり、吐くまで飲んで、体もボロボロになって、適当に1日が過ぎるのを待つ。それを見透かしたお客さんはきっと何人もいたんだろうけど、それさえも無視した。
目の前の売り上げ。レイという存在がわたしを変えた。そう思う日もあった。それが自分の中にあった弱さとも気づかず。
「さくらぁ、何やってんのぉ?!」
「うひゃーよっぱらったぁ~具合いわるい~」
「さくらいい加減にしなよ?!あんた指名で何人の客がいると思ってんの?」
そんなわたしを、美優とはるながたしなめる。
美優もはるなも、綾乃も、他の女の子も皆が心配してくれた。それさえ無視した。
何とか指名の卓をこなして、営業時間内であるのに潰れたわたしは待機で横になっていた。
高橋はこんなわたしを褒めてくれたけれど、レイも高橋の担当の女の子。わたしよりレイへの期待値が高いのが手に取ってわかって、それも悔しかった。
「今月は絶対に負けません…」
「さくらちゃんなんか、最初からレイの相手にならないって、知ってたよ?」
勝ち誇ったように更衣室を出ていくレイに何も言えず、拳を握りしめながら立ち尽くすことしか出来なかった。
この時、確実にお客さんに無理をさせていた。それで離れていったお客さんも何人かいたけど、傷ついてないふりをして自分の心を無視していた。
‘売り上げは伸びているんだから’自分に言い聞かせた。
毎日シャンパンや高級なボトルをねだり、吐くまで飲んで、体もボロボロになって、適当に1日が過ぎるのを待つ。それを見透かしたお客さんはきっと何人もいたんだろうけど、それさえも無視した。
目の前の売り上げ。レイという存在がわたしを変えた。そう思う日もあった。それが自分の中にあった弱さとも気づかず。
「さくらぁ、何やってんのぉ?!」
「うひゃーよっぱらったぁ~具合いわるい~」
「さくらいい加減にしなよ?!あんた指名で何人の客がいると思ってんの?」
そんなわたしを、美優とはるながたしなめる。
美優もはるなも、綾乃も、他の女の子も皆が心配してくれた。それさえ無視した。
何とか指名の卓をこなして、営業時間内であるのに潰れたわたしは待機で横になっていた。
高橋はこんなわたしを褒めてくれたけれど、レイも高橋の担当の女の子。わたしよりレイへの期待値が高いのが手に取ってわかって、それも悔しかった。



