ずきん、と胸に鈍い痛みが走る。

「やだ~光ってばぁ~」

レイが光を呼び捨てで呼んだのを聞いて、次は針を刺すような痛みが全身を襲う。

「レイさんって…
シャインのレイさんじゃないっすか?!
え…びっくり。なんでうちの系列に?!」

どうやら高橋も知っている子のようだった。
そして、次の光の言葉でわたしは地獄に突き落とされる。

「こらレイ、お店では社長と呼べ!

そ。元々シャインのナンバー1!シーズンズの起爆剤になると思って」

お店では社長と呼べって…。普段は光と呼んでるということだ…。
そしてシーズンズの起爆剤ってことは、光がそれだけレイに目をかけているということだ。
嫉妬にも似てるどす黒い感情が自分の中で巡っているのに気が付いた。

「はぁい!高橋くん、よろぴくぅ!今日レイのお客さん沢山くると思うけど頼むよぉ!山岡さんていうお客さんはレイの一番の太客だから多めにつけてねぇ~

っと、あなたは」

レイが高橋のあとにわたしを見つめた。
「わたしは…」

「さくらちゃんだよねぇ~?わぁすっごい美人さんだぁ~噂通り!」

「え?!何であたしのこと」

「ひか…社長からお話はたくさん聞いているの~!!
本当に18歳なの~?見えないねぇ~!
レイは21歳なんだけど、レイより全然大人っぽいねぇ~」