『お前ほんとにどこ行くんだ?』
担任が強い口調で叱ってきた。
『どこでもいいです、行けるとこなら』
と言ったが俺に行ける高校なんてあるのか?
学力テストは3年間1度も最下位の座を譲らずにここまで来た。部活も入ってないし趣味もない。俺はめんどくさいことが嫌いだ。だから就職なんてしたくもない。そんなことを考えていると担任が
『ここはどうだ?私立だがお前でも受かる偏差値だしネット受験ができるそうだ。ここから近いしあと、、』
『行きます!』
断る理由がなかった。近くでしかも俺の偏差値で行ける高校があるのだ。テストもネット受験ならズルもやり放題。行かない理由がない。珍しくやる気に満ち溢れていた俺に先生が続けて言った。
『ただ去年まで女子校だったらしく男子生徒は今年から募集するらしい。つまり先輩に男子生徒はいない。』
好都合だ。俺は自分より偉そうな人間が大嫌いだ。自分に逆らうであろう男が少ない上に年上がいないなら行かないわけがない。
『ただ、』
ただ?なにか問題があるのだろうか、俺はすぐに聞いた。
『いや、入学すると中退することはできないんだ。』
『全然いいっすよそこで!そもそもそんな好都合な学校やめるわけないじゃないですか!行きます!あ、なんて名前の学校ですか?』
『関西清実学園だ。』

それからしばらく経ち見事光は関西清実学園を合格した。やっとこれで地獄の中学生活から解放される。その時はそう思っていた。
まさか高校生活がこれ以上の地獄になるとは光は想像もしていなかった。