「そうじゃなくて、日生がこっちに就職してくれたら３人で一緒に飲めるじゃんって思って」

そう言った私に、
「あー、そうっすか…」

「予想はついてた…」

２人はやれやれと言うように息を吐いた。

「えっ、何でー！？」

「そうだ！

姉ちゃんたち、彼氏ができたんだって！？」

日生が逃げるように話題を変えた。

「エヘヘ、できたよー」

芽実がそちらの話題へと逃げたので変えざるを得なくなってしまった。

「芽実姉ちゃんは例の髪フェチ社長と…」

「あんまり大きな声でフェチのことを言わないで欲しいな、日生くん」

芽実が人差し指を唇に当てた。

「そう言えば思ったけど、よく束ねることを許してくれたわね」

１つに束ねられている芽実の髪を見ながら、私は言った。