「お兄さん、すごいね。

1人で倒したの?」

驚いたと言うように声をかけてきたおまわりさんに、
「空手を習っていたので」

武智さんは答えた。

「顔を見せなさい!」

おまわりさんはそう言うと、ブギーマンのマスクに手をかけた。

マスクが外されて隠していた顔が露わになった瞬間、
「ええっ!?」

私は驚いて声をあげた。

「あの、お知りあいの方ですか?」

声をあげた私に質問してきたおまわりさんに、
「は、はい…」

私は首を縦に振って返事をした。

ただただ信じられなくて、私はその人の顔を見つめた。

「に、西田さん…何で…」

ブギーマンの正体は西田さんーー先日までつきあって、私に別れを告げてきた元彼だった。