ラヴ・ミー・テンダー

ちょっと待て、私は何を言ったんだ?

我ながらとんでもないことを口に出してしまったことに気づいた。

そのうえ、犯人――と決まった訳ではない――を自分の家にあげるなんてバカじゃないの!?

「た、武智さんがよろしければの話です!

いくら知りあいになったとは言え、そんなことをする仲じゃないですよね!?」

慌てたように言う私に、
「そうですね、ホテルかネットカフェに泊まった方が手っ取り早いですね」

武智さんは言い返した。

よかった…と思ったのと同時に、残念だと思っている自分がいた。

矛盾してる、我ながら矛盾してる…。

「近場で泊まれるところを探してみます。

こんな時間に電話して…」

「あ、あの…!」

今すぐにでも話を終わらせようとする武智さんを、私は止めた。