本当にかっこいいなあ。

顔立ちはもちろんのこと、背も高いし、体格もいいし…あっ、手が大きい。

クリームパンみたいな手だなと心の中で呟いたら、
「その後、大丈夫でしたか?

ちゃんと家に帰れましたか?」

彼が聞いてきた。

「はい、ちゃんと帰れました」

私が答えたら、
「ああ、よかった…」

彼は安心した様子で息を吐いた。

どうやら、心配をしてくれていたようだ。

「あの…これを手に取ろうとしていたんですか?」

彼はそう言って最新巻のマンガを手に取ると、私に見せてきた。

「はい、そうです」

私が返事をすると、
「じゃあ…」

彼はそれを私に渡そうとした。

「えっ…でも、あなたが先に…」

「いえ、あなたの方が早かったです」

私の言葉をさえぎるように、彼は私の手にマンガを押しつけてきた。