全国的に秋晴れのこの日は、聖恵の結婚式だ。

大学生の時からつきあっていた彼氏と本日でゴールインした。

「聖恵、おめでとう!」

ウエディングドレスに身を包んでいる聖恵に向かって、私は祝福の言葉を言った。

「ありがとう、陽葵」

聖恵は笑顔で私の言葉に返事をくれた。

「聖恵ちゃんもとうとう結婚か…」

スーツ姿のミヤジがしみじみとした様子で呟いた。

その様子はまるで親戚のおじさんみたいだと、私は思った。

「きてくれてありがとう、ミヤジ」

そんな彼に聖恵はお礼を言った。

「仕事仲間の幼なじみの結婚式だからな。

こちらこそ、招待状を送ってくれてありがとう」

ミヤジは笑いながら言った。

「陽葵」

聖恵が名前を呼んだかと思ったら、私にブーケを差し出してきた。

ピンクのバラとカスミソウのブーケだった。