蜂須賀さんの生存確認から2日経った日のこと、私は『サイクルショップ コイケ』を訪ねた。

「えっ、津雲さんが探しに行ったって!?」

武智さんから聞かされたその話に、私は思わず聞き返した。

「蜂須賀がS市にいるって言うことを昨日津雲さんに伝えたら“私、探しに行ってきます”って、昨日の終電に飛び乗ってそのまま」

武智さんは返事をすると、麦茶を口に含んだ。

「だ、大丈夫なんですか…?

それにまだS市にいるとは限らないのに…」

もしS市からどこかへ移動していると言う可能性だってあるのに…。

そう言った私に武智さんは何とも言えないと言う顔をしていた。

私たちの間に沈黙が流れた。

お互い何も言うことがなくて黙っていたその時間を破るように、スマートフォンが震えた。