「昨日の昼にS市にある二月銀行のATMでお金をおろしたって言う形跡があったって、先ほど警察から電話があったみたい」

武智さんからきたメッセージを読みあげた私に、
「S市って、隣の県だよな」

スマートフォンを見ながら日生が言った。

人のこと言えないじゃん…と、私は呆れたけれど顔に出さないでおいた。

「とりあえず、生きてるみたいでよかったね」

芽実はホッと胸をなで下ろした。

「後は…早く見つかることを心の底から祈ろう」

日生はスマートフォンをジーンズのポケットに入れた。

「それよりも、さっきの話なんだけど」

「ああ、同居に至った経緯ね」

私はスマートフォンをテーブルのうえに置いた。