自宅に帰ると、
「お帰り、陽葵姉ちゃん」

日生が迎えた。

先にお風呂に入ってきたのか、バスタオルで髪の毛を拭いていた。

「ただいま」

私は返事をすると、
「聖恵、元気そうにしてたよ」
と、言った。

冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出した日生は、
「そ、そう…」
と、返事をしただけだった。

「近いうちに遊びに行くって言ってたわよ」

「おいおい…」

日生は呆れたと言うように呟くと、スポーツドリンクを口に含んだ。

「と言うかさ、彼氏いるんでしょ？

俺よりも彼氏に会いに行った方がいいんじゃないかって話なんだけど」

日生は言った。

「彼氏にはいつでも会えるけど、日生には年に１回とか２回しか会えない…って言うことじゃない？」

そう言い返した私に、
「何だよ、それ…」

日生は呟いた。