森と少女と道化師

日曜日
『今回の映画、面白いらしいよ!えっとね主役の○○君がもう超かっこよくて...』
自転車で映画館へ向かっている途中、私の友達は今日見る映画の話をずっとしていた。
『って、鈴聞いてる?』
『聞いてるよ、○○君がかっこいいんでしょ?』
私は覚えている範囲の言葉を友達に言いなんとなく話をあわせた。

『えっと、鈴席どこがいい?私は後ろの列の真ん中がいいんだけど...』
『えぇ、私はど真ん中がいいんだけど』
『じゃあジャンケンね!最初はグー!じゃんけん...』
『いぇーい!勝ったー!じゃあ後ろの列ね!』
ジャンケンに勝っただけなのに何でこんなに喜べるのか。そんなことを思いながら私は友達がチケットの会計をするのを待った。
『じゃーん!えっと52番か53番ね!どっちがいい?』
『えぇ、どっちも変わらないしどっちでもいいよー』
『そんなことないもん、じゃあ私53番で!鈴は52番ね!』
そう言われ私は52番のチケットを貰いホールへ向かう。


日曜日
僕は友達と二人で映画を見に行った。なんでわざわざ休みの日に男二人で恋愛映画なんか...と思いながら僕は玄関を出て友達を迎えにいく。場所は僕の住んでいる町は大して栄えてないため映画館などないため隣町までバスで向かう。
『席どーする?真ん中がいいよな』
『そうだなー、できれば後ろの列で真ん中で』
『愛人ー、50番と51番どっちがいい?』
『いやどっちでも変わらないだろ、なんとなく51で』
そう言って僕は友達から51番のチケットを取り、ホールへ向かった。席へ着くと友達が小声で話しかけて来た。
『なんだよ』
『いや、お前の隣の緑のニットの子、ちょっと可愛いじゃん?』
『まぁ可愛いけど10点満点中8点くらいかな。でも俺はまずロング好きじゃないしそんな興味無いかな。』
こっそりそんな会話をしていたら視線を隣から感じる。思わず横を見るとその少女はなぜか、まっすぐで綺麗な瞳で僕のことを見ていた。