「か、かわい!!」


「でもちょっと制服の着方ダサくない?」


「そうだって!可愛い着方教えてあげる!!」


「あ、おい。てめぇらばっか仲良くなんなよ!」


「はぁ?うるさいんだけど」


先程まで静まり返っていた教室はあちこちで皆が喋るので一気に煩くなった。先生も眉間に皺を寄せ耳を塞いでいる。


転校生だと白い目で見られなさそうで少し安心した。


「鈴白はあそこな」


先生が指を指したのは左から3番目で後ろから2番目の席。


声を掛けられながらも席へつく。


すると前に座っているスカートが短くネクタイは緩め、明るい栗色を光らせるぱっちり二重の女の子が後ろを向いた。


「私、濱野楓!楓って呼んで!よろしくね」


にっこりと微笑む彼女は女神か…?


「あ、私は鈴白亜美!楓…よろしくね。私の事は亜美って読んでくれたら嬉しいな」


釣られてにっこりと微笑み返す。


「わかった!亜美!」


下の名前で呼び合う。


それだけで嬉しい。


もっと話しておきたかったが先生の声で話が中断する。


「あ〜、今日は自習な。騒ぎすぎんなよ」


うん、適当。


先生が出ていけばまた、騒がしくなった。


男女問わず皆私の席に集まってくれたがそれは転校生が来たという興味からだろう。


けどそれでも嬉しいな。