ピピピピピッ。


「ん〜」


重たい瞼を薄ら開き、先程から音を鳴らしている煩い物体へ手を伸ばす。


時間を見れば午前7時。


私は今日から新しい学校。


前の学校は色々あってやめてしまった。


まぁそこら辺の話は今度にでも…


6月と言う中途半端な時期に新しい学校へ行く事に少々、いや、大分気が引けていたが何故か熟睡出来た。


洗面台へ行き洗顔すれば、紺色のブレザーに白いシャツ。水色のスカートと緑のネクタイを装着する。この可愛らしい制服は私が通う〈楠宮高校〉の制服だ。


「どうしよ、緊張してきた」


私の身長より少しだけ長い鏡で見慣れない高校の制服姿を見れば転校する事が一気に現実帯びてきた。