「え?そうなの?!!」


「うん」


「やったぁ!!」


ニカッと綾人が笑った。


あぁ、もう可愛すぎ!!


私は抱きつこうとした。


が、海斗に腕を掴まれて失敗。


「海斗ありがと!ごめんね?亜美ちゃん。俺彼女居てさ前に変な女に抱きつかれて勘違いさせてさ…そっから気をつけてるんだ」


「そう、なんだ。」


綾人の顔がなんか優しい。


彼女の事愛してるんだなぁ。


「それより簡単に男に抱きつこうとすんなよ。お前は俺だけに抱きつけばいいだろ…」


ん?最後の方声が小さくなってますよ?


「くすっ」


あ、海斗ちょっと顔赤い!


へぇ、可愛いとこもあるんだ!


まぁ、私もご飯中に抱きつこうとした事は反省したよ。


ということで大人しくご飯を食べた。


そしてご飯を食べ終わったところで


「はよ〜」


目を擦ってる咲良が現れた。


咲良は無駄な事言わなかったらカッコいいのになぁ。


私はそう思ったけど言ったら咲良が調子に乗りそうだから言わなかった。


「あ、亜美ちゃんの制服これね。まだ昨日のブラウスは乾いてないから新しいの取り寄せたんだ!」


「取り寄せた?あ、時間やばい着替えて来る!」


私は服を受け取ると階段を駆け上った。


私の部屋…で言う実感無いなぁ。


ほぼ初めて入った部屋で制服を着る。


お、サイズぴったり。


あとは髪をといた。


今日は寝癖たいてなくてよかった。


ポケットに入ってるくししか無かったから寝ぐせ直せないもん。


そう思い1階に行けばもう皆んな制服に着替えて集まっていた。


うわ、本当に学生なんだ!


本当に皆学生に見えないんだよね…


「行くぞ」


皆がバイクに近づいてく。


「え?バイクで行くの?」


「いっつもそうだけど?」


「まぁほぼ学校なんて言ってないけどねー」


「え、けど確かバイクは禁止じゃ」


「俺らには関係ねぇよ」


「も〜置いてくよ?」


綾人、仁也、暮人、咲良はすでにバイクに乗っていて海斗はバイクにもたれかかっていた。


「あ、ごめん!」


そう言って足を踏み出したんだけど…


「あたしバイクなんか乗れないよ?!免許無いし!!」


「ぶはっ!クククッお前免許って!!俺らも年齢的に無理だし!てかクッお前に運転とかっ」


失礼な!!!


私だって練習したら乗れるもん!!


咲良のば〜か!!


「ククッじゃあ俺の後ろ乗る?」


「誰があんたの後ろなんかに乗るかぁ!!!!」


「お前は俺の後ろだよ」


「え?」


私にそう言ったのは海斗。


私が突っ立っていると海斗が両脇に手を入れとヒョイっと私をバイクに乗せた。


「俺の女だからたりめぇだろ」


「なっ…」


た、確かにそんな話をしたけど!


流石に皆の前で言われたのは恥ずかしい!


「出すぞ」


海斗を先頭に皆んなが動き出した。


あっという間に着いた学校から。


へぇ、意外と近いんだ!


門をくぐった瞬間聞こえたのは…黄色い歓声。


まぁこんなにうるさいバイクの音で気付かない訳ないか。


けど今は授業中。


歓声も教室の中からだけで外からは聞こえない。


「じゃあ俺はこっちだから」


駐輪場に着いてそう言い別れたのは仁也。


あ、3年生なんだけど受験生だからって理由で3年生は違う後者なんだ。


3年は左の、1.2年は右の校舎。


でも咲良と暮人とはすぐ別れちゃう。


1年は1階。2年生は2階だから。


後ろのドアから教室に入る。


「てめぇらおせぇよ」


そう言ったのは担任の山瀬先生こと山ちゃんだった。