Schicksal


それからは他愛も無い話で笑いあった。


海斗は無愛想だとか、咲良がたらしだとか。ほら、今でも女と電話してる。あとは此処が幹部室だって事とか?


あ、それと暮人の髪がオレンジなのはガタイが良いからよく子供に泣かれて悲しいかららしい。けどオレンジ頭の方が私的には怖いんだけど。


言ったら傷つきそうだから言わなかったんだけどね。


実は驚き海斗と綾人は私と同い年で仁也が1個上、咲良と暮人は1個下だった。


高校生には見えないんだよなぁ。


特に綾人と暮人。


綾人は年下で暮人ら年上だと思ったんだけどな。


しかも、会話には全然海斗は入ってこなくて綾人が時々話を振るのに「あぁ。」「そうだな。」ばっか。


気付けば時計は9時を回っていた。


「うわっ時間やばいな。門限何時?」


「あ、特に無いよ?」


「そうなんだ!けど危ないからそろそろ帰ろう。」


「達也を呼べ」


海斗がやっと口を開いた。


「あ、別に1人で帰れるよ!!」


あの孤児院に住んでるなんてバレたくない。


「あ?送るつってんだろ」


言ってはないじゃん!!


「いや、本当に大丈夫!」


「家どこだ?」


言えない。


「おい、家わからねぇと送れねぇだろ」


「八代孤児院…って所。」


皆がこっちを見てくる。


海斗は苦い顔してるし、咲良なんか女の人と電話してるのに驚きすぎて切っちゃった。


やっぱりあんな孤児院出身なんて引くよね。


「お前、そこの本業しってんのか?」


海斗が聞いてくる。


本業?


人身売買の事…だよね。


「…うん」


けど私が驚いたのは周りの人はやっぱり人身売買のこと知ってるんだ。


「もうあそこ帰んな。」


「え…?」


何を言ってるの?


「そうだな、それがいい」


「僕あそこ嫌〜い」


待って帰るなって…


じゃあどこに行けばいいの?


「僕ら一緒に住んでるんだけどそこにくる?」


綾人が海斗を見ながら聞いてくる。


海斗は何故か頷いた。


「え?それいいの?」


みんな驚いてるよ!


やっぱり迷惑なのかな…


「決定事項だ。」


また勝手に海斗が決めた。


「だめだよ、私帰らないと…」


「何で?」


「え…」


「別にあそこはお前が生まれた家じゃねぇだろ。なんなら俺がお前を買う。」


なに…いってるの?私を買うって。


そんなお金高校生が持ってないでしょ…


「でも…」


「黙れ、決定事項つっただろ。お前の脳みそは咲良かよ」


「え?俺と一緒?1つになっちゃう?♡」


ちょっと気持ち悪いんだけど…