あ、言っちゃった。
けどこれが私の唯一の願いなんだもん。
「だってだって。どうすんの?」
「拒否権は無いって言っただろ?それに…俺がお前を守る。傷つけさせぇよ」
彼が私の目を捉える。
やっぱり逸らせない。
綺麗な目。
「総長、着きました」
「あぁ、達也。」
運転手さん達也って名前なんだ。
海斗に手を引っ張られながら車から降りる。
うっ、またカラフル集団!!
怖いっ
私が固まっていると海斗が腕を回して肩を引き寄せ歩き出す。
え、何この歩き方!!
『お疲れ様です!』
カラフル集団がこちらを凝視しながら道を作り挨拶をする。
なんだか探られてる様でやだ。
その目つきが怖くて少し俯く。
けど海斗のおかげなのか何故か安心する。
私が連れていかれたのはカラフル集団が居る部屋から階段を登った先にある奥の部屋。
扉を開けるとそこにはあと3人いた。
「遅かったな、何かあったか?」
そう問いてくる彼は黒の短髪をした少し大人っぽい人。私を見ると目を見開いた。
「うわっ!なにその子めっちゃ可愛いんだけど!!え?紹介してくれんの??」
そう言ってくる彼は…うん。ちゃらい。見た目いやオーラかな?ちゃらいオーラ全開だよ!この真っピンクの頭の人!!
「俺は…海斗が連れてきたんなら誰でもいい…」
んん?ちょっと人見知りなのかな??けど意見を言えるなんて偉い!!ってなんで私上から目線なの。ていうかこの人ガタイと性格があってなくて面白い!けど頭オレンジだしちょっと怖いな。
「右から金浜仁也。天宮咲良。立浪暮人。こいつらは獅子の幹部なんだよ!あと2人いるんだけど別件で最近居ないんだぁ。寂しいなぁ。あ、けど女の子だからすぐ仲良くなれると思うんだけど。あぁ、皆呼び捨てと敬語使わなくていいからね?」
うわこれは守ってあげたく思っちゃうみたいな…。綾人なんか凄いな。
「おい!!こいつらって言うなよ!!てかねぇだれの連れ?俺とも遊ばね?」
咲良…だったっけ。呼び捨てに抵抗ないなこの人には。
けどあんまり関わりたくないな。
ちゃらいの嫌いだし。
「ごめんねぇ。僕が黙らせておくから♡」
「う、うん…」
あ、綾人さん??
黒笑に見えるんですが…めっちゃ怖いんですが!
咲良も震えてるし!!
「え、綾人の連れ??浮気か?!行けないんだぞ!!」
「お前に言われたくねぇよ」
え、綾人さん口調が……!!
「うるせぇ、俺の女だ。手ぇ出したら殺す。」
海斗の不機嫌な声でシーンとする。
うるせぇって今日何回聞いただろ…
「おい、どういうことだ」
沈黙を破ったのは仁也さん。
「後で話す」
そういった海斗は正面にあるソファへ座る。
どうすればいいかわからず咲良が手招きしてきたからそっちに行こうとしたら
「おい…」
海斗の低い声が響いた。
え?なに?
海斗の目線は海斗が座っている隣に目が向けられていて。
隣に座れってこと?
言ってくれればいいのに。
渋々海斗の隣に座る。
「それでいい」
海斗がまた微笑む。
な、なんでそんな顔向けるの…。
鼓動が早くなってきて…
なんか胸が苦しい。
