‐一月三日
明日から仕事なので、少し短い正月休みが明けようとしていた。
夕方頃に自分の家に帰ってきて、夜は大学の友達と遊びに行った。いつもの女四人組で飲みに行ったけれど…当然ながら匠馬の話題になってしまった。
「千聡、遠距離の彼氏帰ってきてんの?」
「彼氏……じゃないと思うけど…………」
「じゃぁ何なのよ?千聡ずっとそんな感じじゃん」
匠馬とは大学に入ってからも、高校の時と同じような付き合いをしていた。
ただ大学が同じ方面だったので、帰りに待ち合わせて寄り道をしたり…休日には近所に出掛けたり……それこそカラダの関係も続いていた。
ただ別に『付き合おう』と言われた訳ではなかったし、恋人らしいイベント‐例えば旅行などは一切したことがなかった。そもそも匠馬は理系の学部で、すごく勉強で忙しかったし。
でも…他に彼氏を作る理由もなくて、まぁ言わば『彼氏らしき存在』と言われたら…そうなのかな?という曖昧な関係。
「千聡さぁ、それだったら浦崎を振ることなかったじゃん。
千聡に会いたいって言ってたから、まだ好きなんじゃないの?」
「………でも、そんな気にはなれない」



