きっとサクラが咲く頃

そのまま連れていかれたのは‐匠馬の家。
灯りも何も着いておらず、どうやらみんな出かけているらしい。
そのまま匠馬の部屋に行くと…パサッと何かが頭から降ってきた。広げると、ブランケットだ。

「落ち着いたら帰れば?」

匠馬はそのまま勉強机に腰掛け、単語帳を見ている。
私は部屋の隅っこでくるまり、うずくまるように俯いていた。

目の前に居るのは匠馬だけれど‐頭を過り続けているのは、さっきの彼の声。

‐『処女ってめんどくせー』


「処女ってめんどくさいの?」
そう匠馬に聞くと…「はぁ?」っと言ってこちらに振り向いた。

「意味わかんねぇよ。何言われたんだ?」

「『女子高生の処女を貰うのが楽しみ』なんだってさ……」

「それはそいつが最低なだけじゃん」

「そんなに処女って価値あるの?めんどくさいのに?」

「俺にもわかんねぇよ」

だったら……だったら…………

「捨てたい」 「何を?」

「処女」 「はあ?」