放課後―――…。

「桜――!!ごめ――ん。待った?」

「平気平気!!」

内川桜は小学六年生。
髪はショートで活発な女の子。
そして桜と
待ち合わせをしていたのが、芝山真意。

同級生だ。

二人は放課後、学校で遊ぶ約束をしていた。

「だって、いるんだもん!!」

桜がそう言ったときだった。

カキイイイィィィイイン!!!!

バットにボールが当たった音が、
学校に鳴り響く。桜と真意は、
同時に音がなった方向へ向いた。

「走れ!!大地!!」

「おおぉおおぉ!!!!」

男子はホームに向かって
思い切り飛び込んだ。
土の上をすべる音がしている。

ズザアアァアァアアァ!!!!

「セーフ!!セーフ!!」

どうやら審判をやっているっぽい男子が、
大声で叫ぶ。
桜は真意と一緒にキャーキャーいっていた。

盗塁した男の子は立ち上がると、
バットを抱え、座っている男の子の方へ
向かっていき、手をパン!!!!と叩き合った。


「ナイススライディング!!!!」

「あったりめ―だ!!!!」

盗塁した方の子は宮城大地。小学六年生。
そしてナイススライディングと言ったのが藤野祐也。

この二人は、桜と同級生だ。

真意は祐也のほうをじっと見つめている。
それを見た桜は、

「…見つめる前に行動起こせば?」

「やめてよ!!!!だってはずかしいんだもん!!!!」

…幸せもの…。

実は祐也と真意はつきあっていた。
それも学校での公認カップル。
毎日ラブラブに過ごしている。

それと比べるとうちなんて、
大地とも喧嘩友達でとまっちゃってるし…。

そう思ったとき、桜めがけて硬い野球ボールが飛んできた。

桜はとっさによける。

ボールは壁にくいこみ、破片が地面に落ちた。

「大丈夫か!?」

大地が走って桜のほうへ駆け寄る。

桜は顔が真っ赤になっていた。

そして大地は、右手を桜の頬に近づけ、唇をよせる。

何何何――///!!?