大地は桜のほうを見る。
保健室の時とはまったくちがう、冷たい瞳。
大地の瞳は、桜の胸に槍になって刺さってくる。

痛い―――・・・。なんで・・・?大地・・・。

桜がしたを向いて考えている間に、
真意は大地にすぐさまかけよった。

「大地っ!!」

ゲッ!?真意、あんた何言う気!?
ちょっと待って!待ってってばっ

「ね~ラブレターきたって本当?」

大地は真意に見向きもせず、
ただひたすらと歩いている。
「聞くな」と大地が言っているのが、
桜にはよくわかる。

「教えてよ、大地っ!
 もぉ・・・ラブレターの返事返してあげなよ!」

桜はその言葉を聞いた瞬間、目の前が真っ暗になった。
一瞬、なにかを思い出す。
 
昔、こんなようなのと似たことがあったのを。

「俺は――・・・」

「そうだよ!かわいそうじゃん!
 大地の事好きっていってくれてる人なのに!
 ちゃんと返事返さないと傷つくよ!」

なんでこんな言葉を何個も連発できるんだろう・・・。
桜は本当にそう思った。好きなのに、
素直じゃないからこんな言葉を言えるのかな?
何度も心の中でつぶやいた。

「それでいいんだな・・・?」

君は・・・遠い―――・・・。