「昨日、斗真としちゃった。」


コソッと耳打ちした美桜は
嬉しそうに頬を緩ませていた。


正直、さすがの美桜でも
精神的にやばいかと思ったけど、
斗真君のおかげで美桜は
全然元気でホッとした。


「そっか。よかったね。」


そう微笑むと
可愛い無邪気な笑顔で
大きく頷いた。


だから、またいつものように
何でもない日が過ごせると
思っていた。


―――昼休みになるまでは


***


お昼、1学期と変わらず
美桜と机にお弁当を広げていると
廊下から女の子たちの
歓声が聞こえた。


「え、今日斗真君と颯人
バスケの日かな?」


「どーだろ、聞いてないけど…。」


美桜と顔を見合わせて
首を傾げていると