唇が離れ颯人が私のおでこに
自分のおでこをくっつけた。


「…可愛い。」


私にしか聞こえない声で
そっと囁いた。


ボッという効果音が
付きそうな勢いで私の顔は
一気に熱を帯び、
それと同時に周りの視線を感じて
思わず俯いた。


すると今度は私の顔が見えないように
颯人の腕の中に
優しく収められた。


「これで分かった？
この子以外可愛く見えないから。」


颯人の顔は見ることが出来なかったけど、
横目で見たギャルの子は
怒りなのか分からないけど
顔を真っ赤にして
フンって反対を向いて去って行った。


それを合図に
周りにいたたくさんの人が
歓声をあげた。



「「「キャー――！」」」


「何あれかっこいい～～！」
「私もあんな風に言われたい…。」
「お似合いだよねあのカップル。」