「こちらこそすみません。
でも大丈夫なので
離してもらえますか?
隣に彼女いるんで。」


仮面をつけた颯人は
サッと女の子の手を退かした。
その言葉に顔を上げると
ニコッと微笑んだ颯人と
目が合った。


「俺、彼女にしか
興味ないから。」


3人にそう言うと
颯人から甘いキスが降ってきた。


…!?


ビックリと恥ずかしいと
もう色んな感情が混ざって
頭がパンクしそうになったけど、
”離れたくない”
そう思ってしまった私は
颯人のキスを受け入れた。


実際どれだけの時間
唇が重なっていたかは
分からないけど、
長くも短くも感じる時間だった。


それはきっと心のどこかに
やっぱり公共の場で
って後ろめたさがあったからだと思う。