「お腹空いた~!」


最初のアトラクションから
この遊園地の目玉の絶叫
全てを制覇した私は満足して
お腹がペコペコだった。


「そろそろなんか食うか?」


腕にはめている時計を
ちらっと見た颯人はそう言った。


…こんな仕草でさえもかっこいい。


今日は颯人がいつも以上に優しくて
なんだかずっとドキドキしている。


「莉子?」


あ、いけない見惚れてた。


「ごめんごめん!
フードコート行こう!」


見惚れてたなんてばれたら
どんな意地悪言われるか分からないから
わざとらしく
何もないふりをした。


「ん。はいよ。」

幸い颯人は気付いていないみたいで
手を差し出してきた。
今日はほとんどずっと
手を繋いで歩いている。