一途彼女×S系彼氏

お母さんも私の前に座って
マグカップに口を付けた。


一口飲んで
ふぅと落ち着くと
今度はニヤっと口角をあげて
私を見た。


「莉子、朝からそんなに
気合入った格好して
何処に出かけるの?」


この顔はお母さん譲り。
お姉ちゃんも同じ顔をしていた。


「もう、分かってるなら
聞かないで!」


お母さんがこういう時は
いつも見透かしている。
だから今日がデートだという事も
完全にばれている。


「お父さんには
友達とって言っておいてあげるからね♪」


語尾に音符を付けるように
無邪気に笑うお母さん。
40代後半になんて
とても見えない。


なんて言うと
喜んで騒がしくなるから
絶対に言わないけど!