一途彼女×S系彼氏

ベンチに座り、
外の気持ちのいい空気を
めいいっぱい吸って
呼吸を整えた。


「…なんであんな嘘ついて
キスしたの?」


「俺は莉子ちゃんと付き合いたいし、
それに、キスしたかったから。」


したかったからって…。


「でも、莉子ちゃん
あの時避けようと思えば
避けられたでしょ?」


うっ…。
確信をつかれて何も言い返せなかった。


今は裏の顔をしている颯人君。
何かのスイッチが入ってしまったみたい。


私、ずっと蓮みたいに
爽やかで誠実な人、
あ、今はもう違うんだけどさ、
そんな人がタイプだったのに。


どうしてこんな
裏の顔があって強引で
意地悪な颯人君に…。


「あ、あれはむかついたから…。」