一途彼女×S系彼氏

…なんで、連がそんな顔するの。
そっちが浮気して別れることに
なったのに。


私の中から
黒い感情が少しずつ流れ出してきた。
怒りに近い感情。
言い返そう、そう思った時。


「付き合ってるよ。」


私より先に颯人君が答えた。


「え、ちょっと…。」


弁解しようと口を開いたら、
その口は彼の口によって塞がれた。


…キス、してる。


そう気付くのに時間は
掛からなかった。


…ううん。最初から気付いてた。
キスされるって。


だけど、私は拒まなかったんだ―――



数秒して離れた後、
2人は『お幸せに』と
急ぎ足でこの場を去って行った。


そして、私達も
周りの視線に耐え切れずに
近くの広場へと移動した。