一途彼女×S系彼氏

そんな私に
名前で呼んでなんて…。
しかも相手はうちの学園の
アイドルだよ?
バチが当たりそう…。


「そ、それはちょっと
出来ないです…。」


何故か敬語になってしまった。
だってなんか久し振りの感覚で
緊張してるんだもん!


すると
阿久津君は黒い笑みを浮かべた。
そう、学校で見るのとは
全然違う意地悪そうな笑顔だった。


「じゃあ選んで。
俺の事名前で呼ぶか
ここで今すぐキスするか。
どっちがいい?」


……。
思わず固まった。
今、私の目の前にいるのは
本当にあの阿久津君なんだろうか。


いつも愛想が良くて
学園のアイドルで、
爽やかに笑っているはずの彼が
今はそんな笑顔とは真逆の
不敵な笑みを浮かべている。