はぁと大げさにため息を吐いた私に
さすがの莉子も苦笑いを浮かべた。
そんな時。救世主の登場。


「こら、広斗。
あんまママを困らせるなよ。
ママはパパの大事な人なんだから。」


外で颯人君と話していた斗真が戻ってきて
広斗を抱き上げた。


「大事な人?」


「そうだよ。
大事で、大好きな人。
男はな、好きな人には
優しくしないとダメなんだ。
広斗だってママの事好きだろ?」


な?と優しく広斗の頭を
ポンと撫でると
広斗はさっきとは打って変わって
大人しくなった。


「…分かった!」


そして元気よく返事をした広斗を
斗真は床におろした。


「斗真君、ほんといいパパだね。」


莉子にそう言われて
頬が緩んでしまった。