「こら広斗(ヒロト)ーー!走り回らないのーー!」


私が手を焼いているこの子は
正真正銘私達夫婦の子供。
結城広斗(5歳)


「うるせぇ~!」


「そんな言葉づかいしないの!!」


全くどこで覚えて来たのか…。
子供の体力は永遠すぎて
27歳になった私にはついていかれない。


「男の子は元気があっていいね~。」


隣でにっこり広斗を見ているのは
中学からの親友の阿久津莉子。
今日は久しぶりに
莉子家族と集まっている。


莉子には3歳の娘、結愛ちゃんがいる。
結愛ちゃんは、
顔は莉子と颯人君の
いいとこ取りって感じの美少女。
性格はどっちに似たのか、
穏やかでとっても優しい子。
うちの広斗とは大違い。


「もう、毎日毎日大変だよ。
ゆっくりご飯すら作ってられない。
ちょっと目を離した隙に
すぐに物壊すんだから…。」