なんて他愛もない会話に
花を咲かせていると
コンコンとノックされ
待機室の扉が開かれた。


「斗真っ!」


そこにはビシッと
グレーのタキシードを着こなした斗真がいた。


「やばいかっこいい…。」


私が斗真に見惚れていると
気を利かせてくれたのか、
私の家族とメイクをしてくれた
担当の人たちが部屋を出て行った。


もう一度斗真にかっこいいねと
伝えようと思ったんだけど
それは出来なかった。


「…んっ!」


目の前に立った斗真に
突然唇を塞がれたから。


グロスが落ちちゃう…
そんな事も一瞬頭を過ったけど
斗真のキスが心地よくて
そのまま気が済むまで唇を重ね続けた。