私が持ってきた籠を指差すと
颯人が嬉しそうに
机の上に広げた。


「まじ!?サンキュー。」


尻尾を振る子犬のように喜んで
サンドイッチにかぶりついていた。


…たまに出るこの可愛い颯人は
貴重なんだよね。


私はたまにしか見れない
この颯人が好きだ。
アイドルでもなく、イジワルでもなく
素で喜んでくれているから。


「莉子、口開けて。」


ふふっと笑みが零れそうになるのを我慢していると
目の前にサンドイッチが差し出された。


言われた通り口を開けて
サンドイッチを口に含むと


「美味いだろ!?」


そう言って屈託のない笑みを浮かべた。


作ったの私なのに…
と心の中でつっこみを入れつつ
自然と頬が緩んだ。