朝の9時に颯人の家に来たのに
今はもう時計の針は12時を指している。


「腹減ったな~。」


ベットの上で動けない私とは対照的に
ぴんぴんしている颯人。


「なー、莉子なんか食いに行こう。」


満足そうに口角をあげて
私の顔を覗き込んだ。


「行こうって…、
行けるわけないじゃん!!」


絶対に分かってて言ってる。
私をいじめて楽しんでるんだ。


「そんな怒んなって。
可愛い顔が台無しだよ。」


チュッとリップ音をたてて
唇が触れた。


「もう~~~~!」


そんなんじゃ騙されないんだから!


とか思いつつも
内心にやけてしまう私。


だから颯人には甘くなってしまう。


「外にはいけないけど、
ここでご飯食べよう?
サンドイッチ作って来たんだ。」