「…すっごく良いと思う。」


本当にそう感じた。
正直言うと意外とも思ったけど、
今の颯人、優しい顔してて
絶対向いてるって確信した。


「颯人はきっと
子供から好かれる
いいお医者さんになるよ。」


”がんばれ”の意味も込めて
ニコッと笑うと
私の頬に手を添えた。


「どうしたの?」


「その夢さ、まだ続きがあるんだ。」


「続き?」


「俺の夢、つまり未来は
莉子がいて完成するんだ。」


それって…


「だから、これからもずっと
俺の隣にいてよ。」


プロポーズみたいじゃん…。


「それで、俺たち2人の病院で
莉子も看護士として働いてくれた
最高だなって思ってる。」


初めて聞いた颯人の夢に
涙が止まらなかった。



これ以上ないって位
嬉しそうな、ふわっとした
笑みを浮かべているのに、
その顔は視界が滲んで
ちゃんと見えなかった。