…なんて!
私はファンにはならないけど。


試合が終わってすぐに
美桜の元に斗真君がやってきた。
そして私の事なんて忘れてるように
2人の世界に入っていた。


「美桜、この後デートするか。」


その言葉に大きく頷く美桜。
目はキラッキラに輝いている。


「ちょっと美桜、私の存在忘れてない?」


呆れたように
私はわざとそう言った。
続けて


「美桜が一人じゃ行けない!って
言うから来てあげたのに~!」


とも拗ねたように言った。


わざとらしく
言い合いを繰り広げる私達の
会話に入って来たのは
思いもしない人だった。


「じゃあ、莉子ちゃんは俺とデートする?」


「え、颯人君…?」


私は素直な疑問が口から出た。


「えっと…、何で?」