はぁぁ~~と
大きく伸びをする私に
フッと小さく笑って


「俺、莉子以外見てないし。」


なんて、またドキッとするセリフを言われた。
けど、


「…じゃあ、これからは
女の子と2人では会わないで?
私の為って聞いても
やっぱりちょっと嫌だったから…。」


今はそんなセリフに惑わされず、
たまにはわがままになることにした。


「うん、約束する。」


そう言って大好きな香りに包まれた。


どちらからともなく離れ
視線がぶつかり、
自然と顔が近づいて唇が触れた。


ほんの一瞬、触れるだけのものだったけど
あったかかった。


ふふっと心の中でニヤケていると


「じゃ、今から俺の家な。」


家って…


「なんでそうなるの!!!」


イジワルな笑みを浮かべ
もう一度キスしようとしてきた
颯人を突き飛ばして
先に歩き出した。


せっかくのいい雰囲気が台無し…
なんて思ってたけど


「嘘だよ。」


優しい声色で
後ろから手を繋いできた颯人に
自然と視線が絡み合って
笑みが零れた。