一途彼女×S系彼氏

颯人はぐっと
何かを抑えるような顔をして
ゆっくりと口を開いた。


「…黙っててごめん。」


いつもの颯人とは
比べ物にならないような
弱弱しい声。


それが肯定を意味していた。


心のどこかで
合成なんじゃないかとも
正直思ってた。
そうだったら何事もなかったかのように
笑ってやり過ごしたのに。


私の期待は一瞬で吹き飛んだ。


だけど、さっきの美桜の言葉が浮かんで
ふぅと大きく息を吐き
続きの言葉を待った。


「…莉子の事で話があるから
会いたいって連絡が来たんだ。」


私の…事?


「条件は1人でって事と、
莉子には黙ってるって事。
もちろん、その時点で
何か裏があるって事は気付いてた。
だけど、その時の俺は
莉子に何も言わない方が
安全だと思って条件を呑んだ。」