一途彼女×S系彼氏

「もしもし?」


『あ、莉子?なんだ出るじゃん。
さっき颯人君から
私の所に連絡が来て大騒ぎだったよ。
夕方からメッセージの返信もないし
莉子が電話に出ないって。』


そんな…
わざわざ美桜に…


「あ、そうだったんだ…。
ごめんね迷惑かけて。」


心配させまいと
明るく言うつもりが
美桜の声に安心したのか
自然と声は強さを失くしていた。


『…なんかあったの?
今から行こうか?』


美桜の優しい声と言葉が
私がさっきまで知らず知らずのうちに
我慢していた涙腺を
崩壊させた。


「う…っ、美桜ぉぉ…。」


『待ってて、すぐ行くから。』


そう言って電話を切った美桜は
5分もしないうちに家へ来てくれた。