一途彼女×S系彼氏

部活終わりに来ていた
メッセージに返信を
していなかったから
着信が来るのは普通の事。


昨日までの私なら
迷わず喜んで電話に出るけど、
今はそうじゃない。


今の颯人に何を言われても
きっと疑う事しか出来ないから。


かといって
このまま無視してても
どうにもならないって事は
分かってる。



なんてぐるぐる
頭の中で考えているうちに
着信を知らせる音楽は止まっていた。


―――ホッ


心のどこかで
安心していた。
話さなくていいって事に。


そんな気持ちのまま
携帯の画面を眺めていると
また音楽が流れた。


「…美桜?」


今度は美桜からの着信。


私は何も考えずに
応答のボタンを押した。