「「「きゃーーーーーー!!」」」


結城君が美桜の耳元で
何かつぶやいた後、
美桜にキスをした。
そして


「美桜に手出したら許さねぇから。」


堂々の宣言。


不覚にも彼をかっこいいと
思ってしまった。
でもそれは、恋愛感情とかじゃなくて
本当に美桜を守ってくれる
そういう思いから来るものだった。


でも、かっこいいと思っているのは
多分私と美桜だけで、
他の生徒はみんな
信じられないという顔で
教室は冷たい空気に包まれていた。


その空気を一変させたのは
阿久津君だった。


「斗真~!なーにしてんの!
授業始まるから戻るよ~!
みんなも!戻りなね~!」


そのまま美桜と会話をし、
2人は教室を出て行った。


だけどその時、
阿久津君が私を見て
ニコッと笑ったのは
きっと気のせいだと思う―――