それか、絡まれても
美桜と居る時が
ほとんどだったから
全部対処は美桜に任せていた。


姫野莉子。
絶体絶命の大ピンチです。


「ねー、莉子ちゃんいいでしょ?」


私は一歩後ろに下がって
逃げる準備をした。


「わ、私、彼氏いるんで!」


その言葉と同時にダッシュ!!


しようとしたら
いとも簡単に腕を掴まれてしまった。


…最近こんなのばっか。


前は颯人が助けてくれたけど
今は来てくれる保証なんてどこにもない。


護身術でも習おうかな、
なんて悠長に考えていると
壁際へと追い込まれてしまった。


「あ、あの、離してもらえますか…?」


「離してって言われて
簡単に離すと思う?」


…はい、ごもっともです。